
起業や独立を考えたとき、多くの人が最初に直面するのが資金の壁です。
その壁を越えるための
強力な支援制度が創業融資 。
この記事では、創業融資の仕組みや申込の流れ、審査のポイントをわかりやすく整理し、初めての方でも安心して進められるよう解説します。
起業に必要な資金を、自己資金だけでまかなうのは現実的ではありません。
そんなときに頼りになるのが創業融資。
まずはその概要を理解しておきましょう。
創業融資とは、これから事業を始める人や、 開業後間もない事業者を対象 にした 公的な融資制度 です。
創業前6か月以内〜開業後2年以内を対象とするケースが一般的で、個人事業主・法人いずれも利用できます。
融資目的は主に、店舗や機材の購入などの「設備資金」、仕入や人件費などの
「運転資金」の2種類に分かれます。
創業融資には主に以下の3つの制度があります。
| 種類 | 概要 | 特徴 |
|---|---|---|
| 日本政策 金融公庫 |
政府系金融機関が行う創業支援融資 | 無担保・無保証の制度あり、 全国対応 |
| 自治体の融資制度(信用保証協会の保証制度)を利用した信用金庫融資 | 自治体と 金融機関が連携して行う |
利息補給や 保証料軽減がある |
| 地方銀行・信用金庫 | 独自の創業支援ローンなど | 審査はやや厳しめだが、 公的融資を補完できる。 |
この3種類をトリプルまたはダブルで獲得することで、希望額以上の資金獲得が可能になります。
メリットは低金利・長期返済
(5年〜7年)・無保証人・無担保で借入できること。
一方、デメリットは、創業計画書の作成にある程度の時間(1〜2週間)がかかり、そのあと書類審査と面接があり、トータルで3〜4週間かかる点です。
しかし、創業計画書をしっかり作り込めば、必ず審査・面接はクリアできます。
資金確保の強い味方となる制度です。
創業融資の流れを理解すれば、手続きに迷うことはありません。
ここでは、一般的なステップを5段階で整理します。
まずは事業に必要な金額と使い道を明確にします。
自己資金がどれだけあり、どれだけ融資が必要かを整理することが第一歩。
特に自己資金は「返済能力」の指標になるため、 通帳で自分で働いて貯めた資金であることを証明できることが必須条件です。
日本政策金融公庫、自治体、銀行など、どこに申し込むかを決めます。
初めての方は日本政策金融公庫が最も利用しやすく、オンライン申込も可能です。
制度融資を利用する場合は、地元の
商工会議所や信用保証協会を通す必要があります。
日本政策金融公庫、または、
自治体+信用金庫、またはその両方ダブルのチャレンジができます。
日本政策金融公庫が最も審査スピードが速いですが、公庫だけでは足りない場合は、自治体の制度融資を使い信用金庫にもチャレンジすることをお勧めします。
自治体の制度融資を利用する場合は、まず創業計画書を作成し、自治体で指導を受けます。
指導に合格したら斡旋書をいただけます。
斡旋書と計画書類を信用金庫に持ち込み、審査を受けます。
最終審査は、都道府県の信用保証協会が行い、合格すれば、信用金庫からの融資が受けられます。
面談では
「事業の実現性」
「返済見込み」
「起業動機」
などを聞かれます。
特に創業計画書に記載した内容との一貫性が重視されるため、数字や方針を整理して臨みましょう。
服装はスーツまたはビジネスカジュアルで構いませんが、誠実さが伝わる印象が大切です。
公庫、自治体、信用金庫、保証協会のいずれも、面接があります。
面接では、創業計画書の内容に従って、
「起業動機」
「事業の実現性」
「事業使途」
「返済見込み」
を確認されます。
創業計画書に記載した内容に沿って点検確認されるため、事実に即した数字や文章にしないとボロがでます。
決して盛らないことが重要です。
服装はスーツまたはビジネスカジュアルが良いですが、仕事着(作業服)でも実直さやリアルが伝わり印象が良いです。
面接後は、書類審査・信用調査・場合によっては現地(店舗等)訪問確認があります。
期間は、公庫は1週間が目安。
信用金庫は2〜4週間が目安。
12月など保証協会が多忙の月は審査が遅くなる傾向にあります。
保証協会は、現地調査を必ずします。
店舗や事務所の実在確認と事業主面接があります。
最終審査に合格すると融資契約書が送られてきますので、記入し金融機関に提出します。
その後、指定口座へ入金されます。
法人の場合は、当然ながら法人口座を開設しておかねばなりません。
公庫は、契約後3営業日で着金します。
信用金庫は1週間ほどかかる場合があります。
設備資金は、信用金庫が資金を購入業者に直接支払う場合があります。
公庫はありません。
融資後に返済計画表が送られてきます。
返済口座の残高は常に100万以上をキープすることが望ましく、残高が常に少ないと金融機関の信用を落とします。
無駄使いは決してせず、使わない資金は貯めておく、が鉄則です。
月商の2ヶ月分の残高が目安です。
申請時に必要な書類を把握しておけば、準備の抜け漏れを防げます。
これらは「事業実体」を示すための基本資料です。
数字だけでなく、根拠や実行プランを示すことが信頼を高めます。
特に通帳は、コツコツと貯めた履歴が
「誠実さ」の証明になります。
①自己資金は、親や友人からの一時的な借入はNG。
自分で働いて貯めたお金でないといけません。
自己資金が少ないなら、少ないなりの
融資額のチャレンジになります。
ただし、親資金ならば正式に贈与を受けることにより自己資金としてみなすことができますが、やはり自己資金が全くないのはまずいです。
親などらからの支援金を正式にするためには贈与証書と振込記録(通帳記帳)が必要。
友人などからの借入は借入証書と
返済計画表が必要です。
②創業計画書審査で重視されることは4つ
※現実的な堅い数字であること
※客との契約書や顧客リストを添付すると説得力が増します。
創業計画書をよく読み込み、自分の言葉でなんでも答えられるようにしてください。
特に「これまで身に付けた経験や技術」「売上(顧客)獲得の具体的方法と数的根拠」は、非常に重要。
なによりも、誠実で真面目であること、堅実で謙虚なことが、重要です。
審査中に追加資料や修正を求められたら、即日迅速に対応しましょう。
1週間も待たせたらNGです。
融資が下りた後も、安定経営のためには
資金管理が欠かせません。
毎月の約定返済は必ず守り、返済日に口座残高がたりない、は絶対にNGです。
できれば、毎月、資金繰り表を作成し、
毎年の決算後、金融機関に決算申告書とともに提出すると、間違いなく評価があがります。
毎期決算直後の金融機関への決算報告が非常に重要であり、次の融資のための動き(備え)が重要です。
事業が軌道に乗った後、追加融資が必要になるタイミングが来ます。
次の融資からは、決算の数字が全てとなります。
毎期、黒字決算は必須で、できれば大きな黒字で税金を納税するほうが、良いです。
追加融資にあたっては、事業利益と
資金使途・資金効果を明確に示すことにより、創業時よりも速く審査合格します。
補助金や助成金は返済不要ですが、実際に経費を使ってから申請し、審査も長い期間が必要で、着金まで期間がかかります。
まず、創業融資でスタート資金を調達し、事業を開始してから、半年後以降を目処に、補助金助成金にもチャレンジするのが現実的です。
創業計画書で満点をとる自信がない。
また融資面談が不安、という方は、融資の専門家の支援を受けることを強くお奨めします。
金融機関も、融資や事業遂行をよく理解している税理士による後方支援体制があることに安心して、融資合格がだせる。
このように合格への道筋を整えることが重要。
着手金が必要な専門家もあるが、
着手金無料の場合もある。
成功報酬は融資額の3〜5%が一般的。
「日本政策金融公庫の融資に精通している」かつ
「自治体の制度融資に精通している」かつ
「信用金庫融資に精通している」を基準に選ぶと安心。
事業内容を理解してくれる専門家を選びましょう。
創業計画書の文章と数字を満点にあげる自信のある銀行融資専門の税理士が理想的です。
面接で多少失敗しても、書類審査で満点をとっておけば、合格します。
創業融資は、正しい手順と準備を踏めば決して難しいものではありません。
自己資金の蓄積・創業計画書の充実・
誠実で謙虚な面接対応、この3つを押さえれば成功に近づきます。
一人で悩まず、信頼できる銀行融資専門税理士とともに合格を勝ち取りましょう。